book:読了

 リー・ストリンガー「グランドセントラル駅・冬」

帯に、「何も持たず、誰からも求められず。わたしの十二年の冬、ストリートの真実について話そう」とあるように、路上生活者の赤裸々な自伝を連想した。そして、その書き出しは、 何をしていたのかと言えば、わたしは自分の穴の中で手探りし続けていたのだ。…

馳星周「トーキョー・バビロン」

どんでん返し連続のジェットコースター・コン・ゲーム小説。どんでん返しといえば、A・マクリーンが十八番。彼は「誰が(who)」裏切るかに焦点を当てている。それに対して、本作は、「裏切りが予想されていながら、どこでどのように弾けるのか(how&when)…

鯨統一郎「ミステリアス学園 (光文社文庫)」

「邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)」がある時のマイ・ミステリ・ベスト10に入るような感動?を覚えたのだけど、それっきり、この作者には幻滅しきり(半分くらいしか読んでいないけど)。で、本作にも気分が低調だったからか、読後のカタルシスは得ら…

S・ベリー「琥珀蒐集クラブ (ランダムハウス講談社文庫)」

ここで書いた同書を読み終えた。物語としては面白い部類に入るけど、なにぶん人物の冷たさが読み初めから気になり、その印象は最後まで拭えなかった。あと、人が死にすぎ。一体何人、亡くなったんだよ。一言で表わせば、歴史探索をコーティングしたエロティ…

ダン・ブラウン「ダ・ヴィンチ・コード 上・中・下巻 3冊セット」

本を片付けるために読了メモ。ジェットコースターサスペンス。ギミックとして、原始キリスト教を持ってきたもの。上巻部分の黄金比の列記に驚き、面白く感じた。その上巻を読み終えたところで、「謎の入り口なのに、もう三分の一が終わってしまった。これで…

京極夏彦「後巷説百物語 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)」

これは、おもしろかった。京極の初期モノの原点に戻ったような感じ。最後の話は、悲しいけど、素晴らしい作品だと思った。京極堂シリーズが憑き物落としであるのに対して、巷説シリーズは便宜として憑き物を憑ける、騙るという仕組みなのだとわかった。キャ…

ミステリオペラ

5:10起床。2ちゃんねるにて、普段は書き込みのないこの時間に、俺を似せた書き込みがあって驚く。無意識のうちに書き込んだのではないか?という疑念にとらわれる。先日、読了した山田正紀「ミステリ・オペラ」の平行世界(パラレルワールド)が、否が応に…