工事人

  部屋の外がグルリと足場に囲まれている。窓辺で作業をしていると、その足場を行き来する工事関係者と目が合ったりして、恥ずかしかったりする。

 さっき、足場から手すりをヒョイッ!と乗り越えて、ベランダに立ち降りて、窓をコンコンと叩く若者がいた。便所でも貸してくれないか?ということかと思ったのだけど、「雨で工期が遅れていて迷惑かけます。東側一面は、来週の水曜日、ベランダは来週の木曜日に完了します。よろしくお願いします」とのこと。

 汚れた作業着を身にまとい、ヘルメットを小脇に抱えた若者。いや、ほとんど少年と言っていいくらい若い。会話が終わり、颯爽とベランダの手すりを乗り越えて、足場を駆けて行く姿はなんとも頼もしく、格好がいい。
 「足場が雨で濡れているから、落ちないように気をつけろよ!!」と心の中で呼びかけた。がんばれ!少年。

けろやん。